葬儀の形式は特定の宗教・宗派による形式と、無宗教の形式によるものとの、2つに分けることができます。
特定の宗教・宗派による形式とは、僧侶などの宗教者に式の主宰を任せてしまう方法です。
私たちが目にする多くの葬儀はこの方法で行われています。儀式は仏式、神式、キリスト教式などによって行われるものです。
アンケートによれば日本の葬儀形式の95%は仏式で行われています。
神式は1.5%、キリスト教式は1.2%という調査結果がでています。
これに対して、無宗教形式による葬儀とは宗教者のいない葬儀形式です。故人とその遺族を中心に、故人の死を悼み、遺された遺族を会葬者が励ますことに重きがおかれるようになります。結婚式でたとえるなら、神前・仏前結婚式に対して、人前結婚式がこの無宗教形式にあたります。
式の進行にはこれといった決まりはなく、遺族らが式の進行を決めることができます。多くの場合、会葬者全員による黙祷のあと、故人の略歴などを紹介し、遺族・会葬者による献花が行われます。故人の生前のビデオ上映や、故人の好きだった歌を歌うなど、故人にふさわしい葬儀が考えられています。
この形式では、式の中身は自由に選択できますが、間の抜けたもの、といった印象をもたれないような遺族側の気配りが必要です。
先の調査では、無宗教形式は全国的に約1%という低率ですが、東京、神奈川、埼玉の各県が所属する関東B地区では、仏式が82.8%に下がり、無宗教形式が神式と同じ3.4%という結果になっています(キリスト教式は0%)。無宗教形式の多くは、祭壇は飾っても宗教形式をとらずに通夜や葬儀式を行ったり、「お別れ会」などという形をとります。そこには僧侶や神官、牧師といった宗教者の姿はなく、仏式で使われる白木の祭壇を使用せず、遺影と柩が中心となり、花で祭壇がかたどられることになります。
葬儀形式を生前に遺言形式で残す人も増えています。これらの人たちの多くは御布施や戒名料に疑問をもち、日常的に関わりのない宗教よりあえて無宗教の方を選択しているといえます。また、生前中に出会った信仰を遺言する人も多くいます。故人の遺志や遺族の意向を尊重し、反映させることが大切といえます。ただ、法律的には葬儀の主宰者(喪主など)にその決定権がありますので、意向が相反する場合は十分な話し合いが必要です。遺言がある場合は、これに従うことを原則とした方がトラブルの防止にもなります。
いずれの宗教・宗派によって儀式を行うかは、最終的には喪主の判断によって決められることとなります。たとえ故人の強い希望があったとしても決定権は喪主(法的には祭祀継承者)にあります。
とはいえ、最後の儀式については、故人の意思を尊重する、という考えも大切です。遺された遺族・親族も、故人の遺志を実現させた、という満足感が残ることでしょう。